ロトリガはなんで閉塞性動脈硬化症に効かないの?

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 健康のためにDHA、EPAサプリを摂取したい
  • ロトリガとエパデールの違いを知りたい

結論:ロトリガは閉塞性動脈硬化症の適応外。実際にも効かない可能性が大きい

理由は以下です


 


ロトリガはDHA、EPA製剤

健康のために魚の油が大切なのは常識ですよね

日本人が健康な理由の一つとして注目されていた魚の油

DHA、EPAはその魚の油の成分、オメガ3脂肪酸の一種です

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EPA製剤であるエパデールにのみ閉塞性動脈硬化症の適応がある

DHA、EPA製剤はロトリガだけではなく、エパデールも治療で使われています

エパデールにはDHAは入っておらず、EPAのみとなっています

ではロトリガの方が優れているのかというとそうでもありません

エパデールにはロトリガにない「閉塞性動脈硬化症」に適応があります


ロトリガも同じオメガ3脂肪酸製剤であるのに閉塞性動脈硬化症に適応がないのはなぜか

メーカーさんに問い合わせをした結果、
ロトリガはそもそも閉塞性動脈硬化症の治験を行っていないとのことでした

つまり閉塞性動脈硬化症に無効であるとの結論は出ていないそうです

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治験を行えばロトリガの有効性が証明される?

では治験を行えばロトリガの有効性が証明されるのでしょうか

その可能性は十分ありますが、
実際に治験は行われないので自分で考えるしかありません

「DHAもEPAも入っているんだからどうせ効くでしょう」
と結論するのではなく、もう少し考えてみましょう

まず、
ロトリガにはDHA750㎎、EPA930㎎入っています
エパデールの閉塞性動脈硬化症の用法は1日1,800㎎です
つまりロトリガは通常1日1つしか服用しないので半分程度しか摂取できていません

ではロトリガを2つ摂取すればいいのでしょうか

これに対しては治療上必要な場合を除いてはあまりよくない結果につながる可能性があります
オメガ3脂肪酸が心房細動のリスクを上げるというメタアナリシスが発表されたからです1)

またDHAはEPAの代わりにならない可能性もあります

EPAは摂取すれば血中濃度が上昇しますが、DHAはそうならないようです3)
生体内でのDHAの詳しい役割にはまだ解明できていないところがあります
常に一定の濃度に保たれていることからEPAとは違った役割が考えられています
つまり現時点ではDHAとEPAは別々に薬効を考える必要があります

以上より、
ロトリガは閉塞性動脈硬化症に効く可能性は十分ありますが、
DHAとEPAを別物と考える必要があること、
オメガ3脂肪酸が心房細動のリスクを高めることを考えると、
ロトリガを積極的に適応外に用いる意味はないと考えられます

 


まとめ

まとめると、

  1. ロトリガは閉塞性動脈硬化症に使えない
  2. EPAが足りないし
  3. DHAはEPAの代わりにならない
  4. 治療以外で無理にロトリガをたくさん摂取すると心房細動のリスクが上がる可能性がある

 


1) Effect of Long-Term Marine ɷ-3 Fatty Acids Supplementation on the Risk of Atrial Fibrillation in Randomized Controlled Trials of Cardiovascular Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis, Baris Gencer, Circulation. 2021;144:1981–1990
2)https://www.sara2.jp/epa/difference.html

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